ハイイロゴケグモの解説
これまでわかっている情報をできる限り紹介します。
ハイイロゴケグモの学名は、Latrodectus geometricus C. L. Koch, 1841 です。
熱帯に広く分布し、アメリカのフロリダにも侵入しました。中南米、アフリカの熱帯地域が分布の中心です。アフリカが原産地で、セアカゴケグモよりも寒さに強い、という情報があります。体長は雌成体で6-9mm、雄で3-4mm。体色は茶色〜灰色がほとんどで、時には黒い個体もあります。腹部背面の正中線上に白い点が4個あり、その両側に小さな黒い点と、この黒い点を取り囲むように白いすじが後側方へと流れます。腹部裏面には、他のゴケグモ類と同様に、砂時計型のうすい赤色の斑紋があり、足は灰色で、各節の先端部は濃い茶色です(西川・桂,1996)。
卵嚢は球形ですが、綿毛質の突起があり、金平糖状に見えます(Levi et al., 1968)。卵嚢には130個前後の卵が含まれ、一つの巣から見つかった卵嚢数は最大18個です(夏原,1996)。
和名は八木沼(1960)で初めて使われました。
人工的な建築物の窓枠、突起部、ベンチレーターの中、パイプの陰、ひさしの下などに生息します。大阪市ではコンクリートの低い塀の縦の窪みに巣を作っており、特に垂れ下がったマツバギクの一種の裏の窪みに多数生息していました。攻撃性は比較的弱く、咬むことは少ないようです。人が咬まれた例は報告されていません(Gertsch, 1949)が、フロリダで最近数例の咬傷例があり、そのうち1例は重症であるそうです。マウスに対する毒性は、LD50が0.43mg/kgで、セアカゴケグモの約2倍ですが、1頭あたりの毒の量は0.097mgで、セアカゴケグモより少ないようです(McCrone,1964)。
ハイイロゴケグモのメスと卵嚢。1995年12月17日に大阪市住之江区南港南で金沢 至氏が撮影。
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