[テーマ①]1995年12月4・5日に北九州市で,5日に大川市と苅田町でセアカゴケグモの調査が実施されました.ゴケグモ類の発見はありませんでした.[福岡県]→備考1 [テーマ②]12月5日に,大阪府立公衆衛生研究所による毒性試験の結果が発表されました.[毒性・大阪府] [テーマ③]同日,岡山県内の5港湾と空港で調査が実施されました.「毒グモ」は確認されませんでした.[岡山県]→備考2 [テーマ④]セアカゴケグモ対策に関する投書が掲載されました.[意見]
備考
1.北九州市門司区では,12月4日の調査でハイイロゴケグモが捕獲されていたことが,後に判明しました. 2.岡山県で最初にセアカゴケグモが発見されたのは2008年4月25日で,発見地は水島港でした.当初の目の付け所は正しかったと言えましょう. 3.この時期,「セアカゴケグモの毒性は弱く,死亡の恐れはない」という観測が流布しましたが,これは住民を安心させたいという行政側の配慮に基づく希望的観測です.翌年,府は再度毒性検査を実施し,従来の知見通り毒性は強かったと訂正しています. 4.「同時に百匹に咬まれても死亡することはない」は自然毒の知識を欠いた憶測です.オーストラリアでは実際に死者が出ています. 5.大阪府は「専門家の情報をそのまま伝えてしまった」と弁明したようですが,これは「『専門家』が嘘をついていた」と言っているのと同じ暴論です.(以上,文責:清水裕行)