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アカオビゴケグモ解説 :: 昆虫情報処理研究会

xpwiki:アカオビゴケグモ解説

アカオビゴケグモの解説 anchor.png[1]

これまでわかっている情報をできる限り紹介します。

アカオビゴケグモの学名は、Latrodectus elegans Thorell, 1898 です。

以前「セアカゴケグモ」とされていた八重山と台湾の個体群(池原・下謝名,1975;八木沼,1986)は、オーストラリア~南太平洋諸国に分布の中心があるセアカゴケグモとは別種と考えられます。その分布域は確定していませんが、インドシナ半島にはこの種類が分布する可能性が高いと言われています。また、人為的な移動で混在していることも考えられます。八木沼(1986)には「セアカゴケグモ」の名称で台湾産の標本が図示されています。台湾では澎湖島から記録があり、本島には少ないようです。

日本ではセアカゴケグモの名で八重山諸島(石垣島から数頭、西表島から1頭の標本が現存する)から記録があり、第二次大戦の前後には石垣島と西表島にかなり見られ、被害もありましたが、農薬散布などにより激減し、一時全く見られず、絶滅したと考えられていました(加納,1991)。また、昭和30年頃に一時的に繁殖したという説(吉葉、1995)もあります。日本における咬傷例は二例で、1953年に石垣島で人が咬まれたものと、1955年に西表島で人が咬まれて重傷を負ったものです(吉葉,1995)。その後のクモ研究者の探索でも見つからなかったのですが、1995年の毒グモ騒動で再発見されました。

このクモの特徴は腹部背面の赤い斑紋が幅広く波状で不の字型です(八木沼,1986)。

毒性はかなり強い可能性があります。

ヤエヤマゴケグモと呼ばれたこともあります(西川・金沢, 1996[2].備考1)。

アカオビゴケグモ分布[3]

ゴケグモ類を見つけたら[4]

ゴケグモ類に咬まれたら[5]

備考

1.西川と金沢(1996)は, ①西表島産のゴケグモはセアカゴケグモではない. ②この時点では,真の学名は不明のため,“Latrodectus sp.”とし,産地に因んで「ヤエヤマゴケグモ」と仮称しました.その後,小野展嗣はL. elegansであると判断し,かつ早期に使用されていた和名「アカオビゴケグモ」を再発見して,これを使用しました.現在では,こちらが標準和名として採用されています.(文責:清水裕行)


Last-modified: 2022-05-18 (水) 14:40:54 (JST) (1163d) by iaguti