*'''Latrodectus katipo''' 【カテゴリー:[[種の解説>世界のゴケグモ類]]】 [#o3ccfb65] 概要 本種はニュージランドに分布するゴケグモの一種です. 種名 種小名と英名は「夜に刺す動物」を意味するマオリ語,"Katipo"に由来します.~ 特に和名といえるような呼称は使われていません. 特徴 メスの腹部背面には菱形を連ねたような赤斑があり,セアカゴケグモに近似しています.一方,赤斑が白線で縁取られ,両側に斜めに走る白線がある点は,セアカゴケグモの亜成体を連想させます.分布域や生殖器の構造がセアカゴケグモやクロゴケグモと同じタイプであることを考慮すると,セアカゴケグモに近縁な独立種と考えるのが妥当と思われます. 研究史 1871年にPowellによって記載されました.~ 1890年にUrquhartは,ニュージランド北島に分布する個体群を本種の亜種'''L. hasselti atritus'''として記載しました.~ Levi(1959)は'''L. katipo'''をクロゴケグモ('''mactans''')の異名としました.~ Forster(1995)は'''L. hasselti atritus'''を独立種としました.~ 現在では'''L. katipo'''独立種として扱う学者が多いようです.また,Platnickは自身のカタログで,'''atritus'''を'''katipo'''の異名としており,ここでもそれに従っておきます. 分布 ニュージランド北島のほぼ全域と南島の北中部に分布します.~ [[英語版wikipedia>https://en.wikipedia.org/wiki/Katipo]]では本種を3タイプに分けて,分布図を掲載しています.~ (1)Black katipo : 北島北部.~ (2)Black and red katipo : 北島中部.~ (3)Red katipo : 北島南部および南島北中部.~ '''L. atritus'''の模式産地はMahia半島沖のPortland島ですので,"Black and red katipo"に該当するものと思われます.なお,本センターの「世界のゴケグモ類」の頁では,以前,'''katipo'''の慣用名を"Red Katipo",'''atritus'''を"Black Katpo"としておりました(〜1914年12月23日).これは,大阪府の出版物に依ったものです.~ 隣接したオーストラリア大陸産のセアカゴケグモ('''hasselti''')との関連が注目されます.~ (清水裕行)
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