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katipo のバックアップ差分(No.3) :: 昆虫情報処理研究会

xpwiki:katipo のバックアップ差分(No.3)

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2: 2016-03-19 (土) 12:04:57 ソース[6] 3: 2016-03-19 (土) 21:52:01 ソース[7]
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1.本種はニュージランドに分布します.~ 1.本種はニュージランドに分布します.~
2.現地では"Katipo"と呼ばれています.これは,「夜に刺す動物」を意味するマオリ語に由来します.~ 2.現地では"Katipo"と呼ばれています.これは,「夜に刺す動物」を意味するマオリ語に由来します.~
-3.1871にPowellによって記載されました.その後,Levi(1959)によってクロゴケグモ('''mactans''')と同種とされましたが,現在では独立種として扱う学者が多いようです.隣接したオーストラリア大陸産のセアカゴケグモ('''lasselti''')との関連が注目されます.~+3.1871年にPowellによって記載されました.その後,Levi(1959)によってクロゴケグモ('''mactans''')と同種とされましたが,現在では独立種として扱う学者が多いようです.隣接したオーストラリア大陸産のセアカゴケグモ('''lasselti''')との関連が注目されます.~
4.メスの腹部背面には菱形を連ねたような赤斑があり,セアカゴケグモに近似しています.一方,赤斑が白線で縁取られ,両側に斜めに走る白線がある点は,セアカゴケグモの亜成体を連想させます.分布域や生殖器の構造がセアカゴケグモやクロゴケグモと同じタイプであることを考慮すると,セアカゴケグモに近縁な独立種と考えるのが妥当と思われます.~ 4.メスの腹部背面には菱形を連ねたような赤斑があり,セアカゴケグモに近似しています.一方,赤斑が白線で縁取られ,両側に斜めに走る白線がある点は,セアカゴケグモの亜成体を連想させます.分布域や生殖器の構造がセアカゴケグモやクロゴケグモと同じタイプであることを考慮すると,セアカゴケグモに近縁な独立種と考えるのが妥当と思われます.~
-5.1890年にUrquhartは,ニュージランド北島に分布する個体群をセアカゴケグモの変種'''L. hasselti''' var. '''atritus'''として記載しました.これはForster(1995)によって独立種として扱われたことがありますが,ここではPlatnickのカタログに従って,'''katipo'''の異名としておきます.'''atritus'''を独立種と扱った場合には,こちらを"Black Katipo"'''katipo'''の方を"Red Katipo"と呼んで区別していました.~+5.1890年にUrquhartは,ニュージランド北島に分布する個体群を本種の亜種'''L. hasselti atritus'''として記載しました.これはForster(1995)によって独立種として扱われたことがありますが,ここではPlatnickのカタログに従って,'''katipo'''の異名としておきます.
 +6.[[英語版wikipedia>https://en.wikipedia.org/wiki/Katipo]]では本種を3タイプに分けて,分布図を掲載しています.~ 
 +(1)Black katipo : 北島北部.~ 
 +(2)Black and red katipo : 北島中部.~ 
 +(3)Red katipo : 北島南部および南島北中部.~ 
 + '''L. atritus'''の模式産地はMahia半島沖のPortland島ですので,"Black and red katipo"に該当するものと思われます.なお,本センターの「世界のゴケグモ類」の頁では,以前,'''katipo'''の慣用名を"Red Katipo",'''atritus'''を"Black Katpo"としておりました(〜1914年12月23日).これは,大阪府の出版物に依ったものです.~
(清水裕行) (清水裕行)
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